Get the Desk to Tokyo!

2024年11月、私たちは東京で初めてのポップアップを開催し、Grovemade Deskをお披露目しました。今回はデスクの販売が目的ではありません(現時点では、日本からはご購入いただけないのです)。それよりも、コミュニティのみなさんと直接つながり、私たちの「ものづくり」「デザイン」「仕事への情熱」を共有したかったのです。

正直、どのような反響があるかはまったく読めませんでしたが、ふたを開けてみると圧倒されるほど大きな盛り上がりとなりました。

忘れられない東京での体験を、ご案内しましょう。

KEN TOMITA
Co-Founder

Why Japan?

なぜ東京なのか――それはとても個人的な理由です。

私は日本で生まれ、家族や友人、そして何度も訪れた日本での体験が深く心に根付いています。二つの文化を行き来する中で育ったことが、私の世界観を大きく形作ってきました。

しかし、日本とGrovemadeのつながりはこれだけではありません。リードデザイナーのショーン・ケリーも、ほぼ毎年日本を訪れています。彼の妻のご家族が日本に住んでいるからです。ショーンと私は日本の価値観やデザイン哲学――ミニマリズム、細部へのこだわり、そして調和――から多大な影響を受けてきました。これらの価値観は会社の文化にも深く根付き、Grovemadeをアメリカと日本の要素が融合したユニークな存在へと導き、さらに私たちの製品にも力強く息づいているのです。

Setting the Stage

ただ、東京で展示会を開催するのは私たちにとって簡単ではありませんでした。ポートランドから東京へ製品を輸送するため、サプライチェーン担当のクリスチャンとキャロラインと共に念入りに計画を進めたのです。距離にしておよそ8,000km――あらゆる事態を想定しなければなりませんでした。

そんな中、東京ではクリエイターパートナーのFantastic Workspaceが、友人のダイキさんが経営する電動自転車(e-bike)のショールームを借りてくれました。歴史ある浅草と近未来的な東京スカイツリーのちょうど中間という、まさに絶好のロケーションです。

金曜の午後、まだe-bikeのスタッフが仕事をしている脇で、私たちは展示の準備をスタート。スペースはかなり限られており、電動自転車のショールームをGrovemade Deskのために作り替え、展示終了後にはその日のうちに元通りに戻す必要がありました。作業中は「業務の邪魔をしてしまうのでは…」と内心気まずかったのですが、彼らはまったく気にする様子もなく、むしろとても協力的でした。
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一方、ポートランドではプロダクトデザイナーのショーンが、日本に着想を得た控えめな看板デザインを完成させていました。大切なのは清潔感とミニマルさ、限られた設置リソースへの対応。私たちは工房で試作品を作りましたが、念のためロゴを5種類用意し日本に持参したのです。

現地では、どのサイズが最もしっくりくるか――目の前、歩道、そして道路を挟んだ遠目からと、さまざまな距離で見比べて最終調整を行いました。
特にラインの設置には苦戦しました。テープを何度も貼り直し、後ろに下がっては全体を見直す作業を繰り返すことに。でも私には現場で即興的に看板デザインを微調整するやり方がしっくりきたんです。コンピューター上だけでは完璧には仕上げられませんから。

すべてが整ったとき、不思議なくらい“日本的”でありながら、“Grovemadeらしさ”もしっかりと感じられる仕上がりになりました。
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展示には現地のアイテムを取り入れたい――そう思い、真っ先に向かったのは“文具の聖地”ともいわれる銀座・伊東屋でした。

観光客でごった返す店内をフロアごとに巡りながら展示の細部をイメージしていったのですが、どのアイテムも驚くほど魅力的で好奇心やインスピレーションが次々に溢れてきます。正直、まったく集中できないほどの刺激でした。

写真: ito-ya.co.jpより
伊東屋は本当に素晴らしく、文具好きなら絶対に外せないスポットです。

ところが意外にも、一番の掘り出し物は翌日、滞在先から徒歩3分ほどの庶民的な文房具店で見つかりました。地元の子どもたちが学校の道具を買いに来るような小さなお店です。私が子どもの頃に使っていたノートやシールがぎっしり並んでいました。

これぞ日本!日常品であっても当たり前のようにクオリティが高いんですよね。
小さなスペースも本番を待つばかり――すべての準備が整ったのです。
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The Buzz

11時の開場前から、なんと外には行列ができていました。スニーカーの発売イベントでもなんでもない、ただのスタンディングデスクなのに!それでも何十人もの方が「本物を見たい!」と押し寄せ、まるで有名美術館の人気展示のように肩越しに覗き込んだり、順番を待ったりしていました。
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いかにも“東京サイズ”なスペースの狭さに気づいた私たちは、一度に入れる人数を限らなければならないとすぐ判断しました。そこでボランティアスタッフが来場者の流れを管理し、混雑時は各グループ15分ずつ見てもらうことに。デスクの技術的な部分を熱心に検証する人、素材感をじっくり確かめる人、少し離れて全体のデザインを眺める人――実にさまざまな楽しみ方がありました。

私は日本語で育ちましたが仕事で使う経験はほとんどなく、すぐにその場に適応する必要がありました。光栄にも多くの情熱的なファン一人ひとりにデスクの特徴や理念を直接説明できました。彼らの興奮は会場全体に広がり、“なぜ私たちがこの仕事に没頭しているのか”を改めて思い出させてくれました。

The Celebration

イベント終了後、私の家族やボランティアチームは急いで展示物を片付け、e-bikeショールームを元の姿に戻す作業に取りかからなければなりませんでした。

その後お祝いを兼ねて隅田川を渡り、静かで歴史ある浅草の一角へ。クリエイターパートナー「理想の書斎づくり」が手配してくれた、観光客があまり訪れない特別なレストランで夕食を楽しんだのです。
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そのお店は、見るからに伝統的な佇まいでした。狭くて急な階段を上り、小さな座敷で畳に座って食事をすることに。ところが、食事が始まる直前、明るい緑色の法被を着たスタッフが4人、勢いよく座敷に入ってきたのです。

彼らは大声で「よいしょ! よいしょ!」と掛け声を上げながら手を打ち鳴らし、壁に立てかけられていた立派なお供え物を別のものへと交換してしまいました。私たちは何が起きているのか理解できず、戸惑いつつもその場の空気を一緒に楽しみました。

後になってわかったのは、これは「熊手交換」という行事だったということ。その日、近くの鷲神社で毎年恒例の酉の市が行われており、境内には“熊手(bear paw)”を扱う店がずらりと並んでいました。熊手は福をかき集める形状から縁起物とされていて、私たちが訪れたレストランでは年に一度、古い熊手を新しいものに替え、お客さんと一緒に掛け声をあげて互いの繁盛を祈る慣わしがあるそうです。

日本人スタッフによれば、これは非常にめずらしい光景らしく、地元の人ですら遭遇する機会は滅多にないとのこと。まるで「千と千尋の神隠し」のワンシーンのような、不思議で忘れられない体験になりました。
そして素晴らしい伝統料理を囲み、「乾杯!」の声が上がったときが最高のひとときでした。家族や日本のクリエイターパートナーたちは、準備から本番、片付けに至るまで本当に大きな力を貸してくれたのです。 特に、オガワさん、エガワさん、ニノさん、そして「理想の書斎づくり」には心から感謝――彼らがいなければ、このイベントは実現しなかったと思います。多くの人々の尽力と、遠くから足を運んでくださったファンの情熱が合わさり、本当に特別な人間的つながりを感じるイベントになりました。

想像を超える熱気に圧倒され、その一員になれたことを心から光栄に思います。

KEN TOMITA
Co-Founder
みなさんの熱い反応が、私たちを次のイノベーションへと突き動かしてくれます。さて、次はどこでポップアップを開くのか――お楽しみに。 ただ一つ確かなのは、まだ始まりにすぎないということです。

(写真提供: Koh Ogawa, Ryota Egawa, Fantastic Workspace, Grovemade)

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