Designing the Note-Taking Kit
良き友Matthew Encina(マシュー・エンシナ)とのコラボレーションアイテム「Note-Taking Kit」のデザインに私たちは2年の時間を費やしました。着想から製品化までの一部始終を記録したMatthewの動画、私たちの物語をどうぞご覧ください。
2021年、私はクリエイターとしての新天地を求めて仕事を辞めました。同じ頃Grovemadeの友人から、一緒にゼロからデスクアクセサリをデザインしようと誘われたのです。
Matthew Encina
Mod Musings
KEN TOMITA (Grovemade Co-Founder): MatthewとGrovemadeは長年協力し合ってきており、コラボレーション製品の開発は必然だったように思います。
Matthewはロサンゼルス拠点のクリエイティブ・ディレクターで、自身の会社Mod Musingsで生産性と創造性に関するコンテンツつくりに情熱を注いでいます。私たちはともに「最高の仕事を追求して周囲に拡げていく」同志なのです。GrovemadeチームはみなMatthewのコンテンツが大好きで、彼はGrovemadeの製品を愛してくれています。
Research & Discovery
キックオフにあたり、まずはMatthew自身のメモの取り方・情報処理の方法・使っているツールなどの実態を把握するため、KenとSeanがロサンゼルスへ飛びました。MatthewのメンターであるThe Futureの創設者、Chris Doに対しても同様の聞き取りを行った結果、日々の仕事に欠かせない「メモ」に関していくつかの共通点や問題が浮き彫りになりました。
SEAN KELLY (Lead Designer): どの方向に歩みを進めるべきかについて、2つの調査から多くの示唆を得ることができました。
洞察の精度をさらに高めるべく、私たちはGrovemadeのお客さまにいくつかのアンケートを実施しました。どのようにメモを取っているのか、具体的な手順・ツールは?何が障壁となっているのか。
その結果、次の見解が得られました。
その結果、次の見解が得られました。
- メモは日常業務に不可欠であり、通常はメモ帳や机の上にある紙を使っている。
- メモを適切に保管する方法がない。机の上で散らかっているか、見えないところへ一時的に隠しこんでいる。
- 特に重要なメモは処理が完了されるまでの3~5日間、保管される傾向にある。
Synthesis
以前のフェーズでは広い視点で観察・問題の洗い出しを行いました。いわゆる拡散的な思考です。しかし次は明確なデザイン課題の特定にまで思考を収束させていきます。
今度はMatthewがGrovemadeの拠点ポートランドを訪れ、チームとともに自問自答を行いました。
議論の末、次のデザイン課題を設定しました。
- 共通のインサイトやペインポイントは何か?
- 取り組むに値するほどの大きな問題か?
- 市場にはすでに解決策があるのか?
- 私たち自身もワクワクできるか?
メモを記録・確認・保存するためのより良い方法を、どうデザインすれば良いだろうか?
Ideation
再度、拡散的思考に戻り解決策を探っていきます。私たちはホワイトボードツールMrioを使ってリモートセッションを続けました。数週間にわたりスケッチを見せ合い、リサーチ結果を共有し、互いのアウトプットに手を加えていきます。
MATTHEW ENCINA: 私にとってこれは非常に楽しいプロセスです。自由でスピーディで、そして可能性に胸が踊ります。
KEN TOMITA: Seanと私は10年以上一緒にプロダクトをデザインしてきました。このプロセスにMatthewを上手く組み込むことができて本当に良かったです。
Seanはダンボールや端材、3Dプリンタで作った試作品を次々にMatthewに送りレビューしてもらいます。
完成まで数ヶ月の間、この試作とレビューをひたすら繰り返します。有望なアイデアを洗練させ、テストし、具体的な形状や機能に落とし込み、さらに細かい寸法・角度・各パーツの素材に至るディティールまで詰めていきます。
The Kit Coming Together
最終的に複数のアイテムを連動させる方向に落ち着きました。もともとGrovemadeコレクションに存在していたメモ帳のサイズはアップデートされ、さらにメモを見易く保持するためのスタンドと保管用オーガナイザーがデザインされました。
今回私たちがデザインしたスタンドはiPhoneやiPadといったデバイスや、Grovemadeのスケッチブックも収納できます。これは初期デザイン時に意図していたものではありませんが、開発段階で新たに盛り込んだ素晴らしい機能です。メモ用紙の厚み決めは非常に苦労しました。カードのように厚過ぎるメモ紙にはしたくない。しかしきちんと自立はさせたい。結局この試行錯誤にさらに数週間を費やしました。完成が近づくにつれ次々に厳しい決断の局面が訪れましたが、最終的にチーム全員が満足できる場所にたどり着くことができたのです。
Making it Real
いよいよ実装して製品に命を吹き込むときです。実現すべきデザインは明確になっており、あとはそれをいかに円滑に量産できるかが問われます。
量産化の工程には数ヶ月を要します。素材の調達・各パーツの製造方法・組み立てプロセスなどを一つ一つ慎重に練り上げていきます。ここでの現実的な問題が最終デザインに大きな影響を及ぼすこともありますが、今回はSeanとKenが初期段階から製造方法も念頭に置いていたため大きな問題は生じませんでした。
All Kitted Up
2年にわたるデザイン及び開発の末、GrovemadeとMod Musingsの
友情と情熱の結晶「Note-Taking Kit」を世に出せることを誇りに思います。メモを取るプロセスの探求からスタートして、書く・見直す・思い出すための全く新しいツールが生まれました。本当に多くの
学びがあり、何より製品の仕上がりの良さに感動しています。
今回のコラボレーションで私の創造性の新しい扉が開いたことは間違いない。さあ、次の仕事に取りかかろう!
Matthew Encina
Mod Musings
Get the Kit
Note-Taking Kitは情報の取得・保管・活用のために練り上げられたアナログツール
です。ホワイトオーク材とレザーの発売記念・特別エディションのほか、ウォールナッ
ト材、ホワイトオーク材、メープル材からお選びください。
Designing the Notepad
The reusable Grovemade notepad is an essential piece of our desk collection—but it took a happy coincidence between researching notebook sizes and dissatisfaction with disposable notepads to bring it to life.
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