15 Years of Design
15年。私たちは何百もの製品を発売し、成功と失敗から学び成長してきました。仕事にインスピレーションをもたらすデザインとは?試行錯誤の軌跡を一緒に振り返りましょう。
2009-2012
The iPhone Era
The iPhone Era
KEN TOMITA (Grovemade Co-Founder): 曲線と複雑なカタチにとても苦労しました。
当初から私たちの想いは変わってません。「他では手に入らない、特別なものをつくる」こと。「Made the Hard Way」とは、エンジニアリング技術の粋を駆使し、iPhone自体の工業デザインを尊重しつつ、耐久性のある自然素材のケースを作る方法を学ぶことを意味していました。初期の竹製iPhoneケースはアートのキャンバスでもありました。2009年当時、ケース背面にアートを刻印した「Artists' Series」が私たちのビジネスの全てでした。
当時から工業デザインにもこだわり抜いています。例えば、ケース上下のパーツの境目には宇宙船のドアのようなノッチを設けました。機能面を考えれば直線で良いはずです。しかしそれでは視覚的に面白くない。Grovemadeはこのように考えるのです。(ヒント:ノッチデザインはこれから先も度々目にされることになるでしょう。)
最初の数年間はひたすらiPhoneケースをつくり続けました。(iPhone 4、5をシンプルな形状にしてくれてありがとう、Apple!)さらにiPadのスキンや背面アートといった新しいラインも加えました。物理的な製品をデザインし、製造し、販売するという困難な旅にのめり込んでいきました。
最初の数年間はひたすらiPhoneケースをつくり続けました。(iPhone 4、5をシンプルな形状にしてくれてありがとう、Apple!)さらにiPadのスキンや背面アートといった新しいラインも加えました。物理的な製品をデザインし、製造し、販売するという困難な旅にのめり込んでいきました。
2013
Evolving
Evolving
より複雑で多段階にわたる加工プロセスも取り入れ始め、2013年には新しくて「重い」製品、iPhoneドックを発売しました。
徐々に私たちのテーマが姿を見せ始めます。ミニマルであること、テクノロジーを尊重すること、素材の良さを引き出すこと – ドックは片手でiPhoneを操作できるよう設計されており、接着剤なしでスチールと真鍮を組み合わる構造としました。使用中でも単独でも美しく見える製品にする。テクノロジーとのより良い生活を創る。私たちの美学が練り上がっていきます。
2014
Pioneering the Desk Setup
Pioneering the Desk Setup
木製腕時計は私たちの技術力とユニークさの象徴です。時計デザイナーのStefan Andrén氏とのコラボレーションによって真にユニークな製品が生み出されました。工業デザインスキルを磨く上で隣接分野のエキスパートとのコラボレーションは非常に得難い経験でした。この時計は過去の学びを未経験分野に応用した成果であり、全く新しい時間の伝え方を示すものとなったのです。
ここからはあなたの「仕事」に寄り添うエコシステム、Deskコレクションについてです。Deskコレクションの発表はGrovemadeと市場の両者にとって完全に新しいビジョンを提案するものでした。私たちは仕事用デスクの上がこれまで無視され続けてきたことに気付いたのです。それゆえ、この空間にハイレベルなデザインを持ち込み、あなたの仕事にインスピレーションをもたらすことを目指したのです。その後の数年間でこの市場は大いに盛り上がりましたが、2014年当時はそうではありませんでした。
DeskコレクションがGrovemadeを大きく変えたました。ワークスペース向けの工業デザインとプレミアム品質 – もはやiPhoneケースの枠に収まらない構想です。2014年2月、私たちのビジネスを創業時から支えてくれたArtists' Seriesを終了しました。
KEN TOMITA (Grovemade Co-Founder): Artists' Seriesの終了は大きな賭けだった。でも自信はあったんです。Grovemade自身のプロダクトが未来を拓く。不思議とそう確信していました。
Deskコレクションはこの10年、何十万もの顧客にインスピレーションを与え、デスクセットアップを楽しむ文化を形作ってきました。常に順調だったわけではありませんが、Deskコレクションはその後多くの新製品へ派生していき、私たちの学びと成長の礎となったのです。
2015 - 2016
Entries and Exits
Entries and Exits
"Grovemadeデザイン"とは?一貫した要素は?私たちらしい製品開発の切り口は?創業時からの問いに答えるべく、全く異なるカテゴリへコンセプトを適用し始めました。
私たちは製品デザインチームを強化すべく、より集中できる専用の環境を用意しました。その結果は目覚ましく、全く新しいコレクションが3つも誕生しました。日本の肥後守ナイフにインスパイアされたポケットナイフや精密加工されたカラビナ、お財布などのEDCコレクション、セラミックと木製の食器などのTablewareコレクション、そして玄関のコートフックや壁掛け棚・ミラーなどのEntryway コレクションです。Deskコレクションとして木製スピーカーとアンプ、ラップトップスタンドなども発表しました。これら全てを2015から2016年にかけて成し遂げたのです。
KEN TOMITA (Grovemade Co-Founder): 常に自問自答です。新しい領域でどうデザインするか?オーディオ、玄関、EDC。カテゴリの超越がデザインを研ぎ澄まします。
この時期の製品を私たちは心から愛しています。しかし、時には市場に受け入れられないこともあるということを経験しました。木製キャッチオールなど今でも現役の製品もありますが、その他の多くは販売を終了しました。
SEAN KELLY (Lead Designer): 期待通りに人気が出ないこともあります。そこからも、学びという極上の糧が得られるわけです。
Focus on the Notch
初代iPhoneケースから受け継がれる隠し要素にお気づきでしょうか?そうです、ノッチです。このディテールはGrovemadeデザインにおける一貫性と独自性の証です。ノッチはミニマリストウォレットやラップトップライザーでも見られます。
2017
The Desk Shelf System
The Desk Shelf System
モダンなワークスペースは急速に進化していきます。テクノロジーは日々更新され、デュアルモニターの普及やデスク周りに必要なアイテムの増加など、デスクを取り巻く状況も刻々と変化していきました。そして2017年、私たちはワークスペースにさらに深く踏み込み、デスクシェルフシステムというこの世にまだ存在すらしなかった製品カテゴリを生み出すに至ったのです。当時は「デスクシェルフ」という言葉自体がなく、ましてや適切にデザインされた製品は皆無といって良い状況でした。
KEN TOMITA (Grovemade Co-Founder): 人々が思い浮かべるデスクシェルフらしきモノといえば本棚でした。でも私たちはモダンなワークスペース向けの製品をつくりたかった。デュアルモニターやモニター+ラップトップスタイルに対応する新しいデザインへの挑戦です。
私たちは革新的なデスクシェルフシステムを開発すべく、膨大な数のワークスペースを実際に見て回り、顧客やファンにインタビューを行いました。物理的にも大きなデスクシェルフを他のコレクションと調和させることは非常に大きな挑戦でした。すべてのディテールを熟慮し、洗練させ、スライドイン・アウトで相互作用するシステムに至ったのです。
この年、EDCコレクションとしてミニマリスト・ベルトも発売しています。このベルトは今日でも多くのスタッフが愛用中です。非常にシンプルな構造で、堅牢なインベストメント鋳造のバックルと厚手のベジタブルタンニンレザーのストラップを採用しており、文字通り永遠に使えるようデザインされています。
SEAN KELLY (Lead Designer): 兄弟の結婚式でもこのベルトを締めました。多用途に使える頼もしい相棒です。バックルの形状は後のメモ帳のデザインに影響を及ぼしました。
Material Side Note
最初期のiPhoneケースは竹から削り出されていました。竹の整った木目が精密加工に最適だったのです。その後素材の選択肢が徐々に拡充されていきます。2012年にはiPhoneケースの素材をウォールナットとメープルに切り替えました。どちらも上質なアメリカ産広葉樹であり、成熟した色合いと仕上がりを実現できました。
次に取り入れたのはベジタブルタンニンレザーとメリノウールフェルトです。テック製品を優しく包み込みつつ、広葉樹とのコントラストを演出できます。その後も機械加工されたスチール、真鍮、アルミニウム、コルク、さらにはセラコート仕上げやグレイン加工されたアルミニウムなど、度重なる実験の末、選び抜かれた素材の導入が続きました。
各素材は最も輝くところで使用され、強度、柔軟性、美しさと機能性、モダンさと永続性によって製品の魅力をさらなる高みにまでへ引き上げます。
各素材は最も輝くところで使用され、強度、柔軟性、美しさと機能性、モダンさと永続性によって製品の魅力をさらなる高みにまでへ引き上げます。
2017 - 2019
Eliminate Distractions
Eliminate Distractions
2017年から2019年。私たちはワークスペース市場に軸足を置きつつ、周辺カテゴリの可能性も模索し続けました。この時期の思い出深い製品にワイヤレス充電パッドがあります。これは短期間で集中して設計および製造され、注文の殺到にはチーム総出で対応しました。電子部品の組み立て、コルクと金属のラミネート加工、そしてエッジグラインダーで金属を木目に合わせてフラットに研磨するという非常に難しいプロセスが必要でした。まさに「Made the Hard Way」です。
KEN TOMITA (Grovemade Co-Founder): 信じられないほど大変な作業です。それでも、一体感のある美しい仕上がりには絶対必要でした。
(Video has no dialogue.)
2019年、私たちはiPhoneケースの製造を終了します。これはワークスペースとオフィスアクセサリーに注力するという決意の表れでもあります。この決断が私たちのデザインを次のステージへ引き上げ、この年の後半には新たなデスクコレクションとしてヘッドフォンスタンドとデスクペンを発売しました。さらに新しいデザインプロセスへの挑戦も始めました。
KEN TOMITA (Grovemade Co-Founder): ペンをデスクペンとして位置付けたのは、私たちの選択と集中の成果です。何の変哲もないペンを、デスクとワークフローの一部に取り込んだわけです。
2020 - 2023
Expand and Update
Expand and Update
2020年は激動の年でした。COVIDパンデミックがすべてに甚大な影響をもたらしましたが、私たちはホームオフィスアクセサリー領域で粛々と革新を続けました。主要なデスクコレクションとデスクシェルフシステムにさまざまな更新と改良を加えていったのです。
デスクシェルフシステム再設計の流れで、私たちはiPadスタンド、そして新しくなったMacBookドックやラップトップライザーも発売しました。
Grovemadeはさまざまなサイズやカラーを拡充させる時代に突入しました。もちろん全く新しい製品の開発も続けましたが、ペースは以前より緩やかになったのです。Blackwingとのコラボレーションによって新しい鉛筆の収納・管理方法を導入し、また、超高級なスケッチブックやメモ帳のラインも展開し始めました。
2023年には、Note-Taking Kitシリーズとして新製品を複数発売しました。これらの製品はMatthew Encina氏とのコラボレーションの賜物です。デスクシェルフシステムのときと同様に、ユーザーインタビューからインサイトを掘り起こし、実際の仕事現場を観察しました。作業プロセスや情報処理・記録方法への考察を行い、新しい提案に至るまで、深く踏み込んでいきました。最終的には既存のメモ帳のデザインを活かしつつも、革新的なソリューションの提案に成功したと考えています。
ディスプレイレールのデザインはMacBookドックやiPadスタンドから着想を得ています。曲げ加工されたスチール、ウールによるクッション、そして浮遊感の演出 – Grovemade製品全体に共通するデザインコンセプトなのです。
2024
A Decade in the Works
A Decade in the Works
そしてついにGrovemade史上最大のプロジェクトが結実します。10年の経験と3年の開発期間の結晶、それがデスクです。
2014年のDeskコレクション発売以来、私たちは常にオリジナルデスクの開発を見据えてきました。すべての製品は美しい空間を創り出し、機能的なイノベーションであなたの仕事にインスピレーションを与えることを目指しています。デスクは私たちの研究、学び、努力、そして経験の集大成です。ブラッシュドアルミニウムの引き出し、ミニマルなライン、微妙で柔軟な機能 – すべてにGrovemadeのデザインコンセプトが適用され、あなたの最高の仕事を支えます。
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2014年のDeskコレクション発売以来、私たちは常にオリジナルデスクの開発を見据えてきました。すべての製品は美しい空間を創り出し、機能的なイノベーションであなたの仕事にインスピレーションを与えることを目指しています。デスクは私たちの研究、学び、努力、そして経験の集大成です。ブラッシュドアルミニウムの引き出し、ミニマルなライン、微妙で柔軟な機能 – すべてにGrovemadeのデザインコンセプトが適用され、あなたの最高の仕事を支えます。
Grateful for 15 Years
私たちの15周年は、2009年の創立以来のすべての仕事、新製品、そして出会いや出来事を振り返る素晴らしい機会となりました。この節目に新たなインスピレーションを得て、これからも前進し続けてまいります。